残留塩素とは?

残留塩素とは?

水道水は塩素で消毒されています。

通常、日本の水道水から流れ出る水は、塩素により消毒され供給されています。
これは我が国だけのことではなく、世界的にも広く行われています。
この塩素による水道水の消毒は、水道水の消毒方法において法律上義務付けられている唯一の方法です。
消毒された水道水に混ざっている塩素量のことを残留塩素と呼んでいます。

そもそも塩素とは?

  1. 塩素の生成

    塩素は一般的に下記のように塩水(海水)を加水分解して生成されます。

  2. 塩素の種類

    発生した塩素は気体(ガス)ですが、これを液体や粉末に合体させることで、
    扱いやすい「塩素剤」となります。
    塩素剤を水に添加すると、下記の様々な存在形態となります。

  3. 遊離残留塩素と結合残留塩素

    塩素は水に溶けると、次のような反応を示します。

    ここで生成された次亜塩素酸(遊離残留塩素)は、水中の窒素化合物と結合して、「結合残留塩素」を生成します。遊離残留塩素と窒素化合物の反応は複雑ですが、下記に窒素化合物の例としてアンモニアを用い、反応例を示します。

    このように一口に「残留塩素」と言っても、塩素は様々な形態に変化して存在しています。 塩素濃度を管理する際は、どのような存在形態の塩素が、どれくらい存在しているかを知るのがとても重要です。

残留塩素の測定

試薬の種類 錠剤 粉末分包 粉末ビン入り
遊離残留塩素 No.1
総残留塩素 No.2
結合残留塩素 No.3※1

※1)ここで重要となるのは、結合塩素のみを測定できる試薬は存在しない!
ということです。

ドクロ先生
結合塩素を測定する手順
No.1試薬で発色させた後、No.3試薬を添加すると、結合残留塩素が存在する場合は発色が濃くなります。

消毒用塩素剤の種類

先ほどの説明のとおり、塩素は作られてすぐの時点では気体(ガス)状態です。
気体のままでは持ち運びや保管が大変なので、多くの場合塩素は液体や粉末に結合させて扱いやすくし、
「塩素剤」として流通します。

状態 種類 一般名
気体 塩素ガス 塩素ガス
液体 液体塩素 (塩素ガスを高圧で液化したもの)
次亜塩素酸溶液 「次亜塩素酸ナトリウム」等
有機塩素剤溶液 「塩素化イソシアヌル酸」等
固体 さらし粉 「カルキ」、「クロルカルキ」等