新型コロナウイルス(COVID-19)対策に関する弊社へのお問い合わせについて

厚生労働省が発表した新型コロナウイルスに対する注意事項に関連して、現在弊社宛に次亜塩素酸ナトリウムに関する問い合わせが急増いたしております。
このため、以下に厚生労働省発表内容および弊社業務に対するよくあるご質問につきご説明を行います。

1.次亜塩素酸ナトリウム購入に関するお問い合わせ

弊社は残留塩素の濃度測定器を開発・販売する企業であり、次亜塩素酸ナトリウム自体は扱っておりません。また弊社にて今後販売、お取り扱いする予定もございません。次亜塩素酸ナトリウムをお求めのお客様は、恐れ入りますが薬局、ドラッグストアー、管轄保健所様等へご確認くださいますようお願い申し上げます。

2.厚労省ガイドラインにある次亜塩素酸ナトリウム濃度について

厚労省の注意事項(本ページ最後にリンクがあります)にある、 「0.05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)」「0.1%の次亜塩素酸ナトリウム」 につき、換算表を用いて以下にお示しします。

原液の公称濃度 6 % = 60000 ppm 15 % = 150000 ppm
100倍希釈した濃度 0.06 % = 600 ppm 0.15 % = 1500 ppm
参考:1% = 10000 ppm = 10000 mg/L(「ppm」と「mg/L」は同じ値となります)

2-1 原液の公称濃度について

殺菌消毒剤や食器漂白剤、ブリーチ剤として市販されている次亜塩素酸ナトリウムを含む高濃度塩素溶液は、完成したと同時に分解・化合を生じ、濃度は一定ではありません。また液体に溶解させた塩素は時間とともに揮発するため、ボトルに書かれた濃度は必ずしも一定ではありません(これは塩素剤がそもそも持つ化学特性であり、やむを得ない現象です)。 市販塩素剤の公称濃度は用途、メーカーによってまちまちですが、仮に上記表のような代表値として「15%」「6%」を例示しました。

2-2 厚労省が推奨する濃度について

上記表に示す通り市販塩素剤は原液では数万ppmの高濃度であり、希釈することで所定の濃度に調製します。100倍希釈をすると、それぞれ濃度は0.15%、0.06%となり、厚労省が推奨する濃度に近接します。 2-1で示したように高濃度塩素剤は完成と同時に分解・化合を繰り返すため濃度は必ずしも一定ではなく、また物質の特性上完成後若干の濃度減衰がみられる場合もあります。このため、ここでは推奨濃度ピタリになるよう厳格な希釈計算を行う実益よりも、目安濃度を調製できる簡易さを優先させています。

2-3 100倍希釈液調製のイメージ

簡易に100倍希釈するのであれば、写真に示すような身近な物で調製が可能です。

【手順】
①ホームセンターや100円均一ショップで売っているスポイト容器で塩素剤1mlを採取
②目盛りの付いた計量カップやボトルに水道水を100ml採り、上記1mlを添加する

水道水中にも塩素は存在していますが、数100~1000ppm濃度の液を調製するためここでの影響は考慮しないものとします。

参考:水道水中の残留塩素濃度は水道法上「0.1 ppm存在すること」と定められており、 実際の運用上は0.5 ppm程度が蛇口で存在しています。

3.次亜塩素酸ナトリウム溶液の使用上の注意

水道水中に存在する0.5ppmと比べ、厚労省推奨濃度は非常に高濃度です。ご家庭で調製なさる場合は
・手荒れを防止するためのゴム手袋/液ハネを防止するためのゴーグル、メガネ等を着用
・希釈液は汚染のふき取り等に用い、手指消毒には用いない
などに留意し、メーカーの定める使用上の注意に従ってお使いください。

4.消毒効果について

次亜塩素酸ナトリウム(つまり遊離塩素、結合塩素等の有効塩素)は幅広い種類の病原微生物(細菌、ウイルス、寄生虫等)に対し殺菌効果があるため、世界中で使用されている殺菌料です。
2002年に猛威を振るったSARS(severe acute respiratory syndrome)コロナウイルス(SARS-CoV)に対しては遊離残留塩素濃度0.5ppmで有用な殺菌効果が認められたとの報告)がある一方、新型コロナウイルスは現時点未解明な部分も多く、予断は許されません。
※)Xin-Wei Wang et al. (2005) Study on the resistance of severe acute respiratory syndrome-associated coronavirus. Journal of Virological Methods 126, 171-177

よくあるお問い合わせに対し本ページをもってお答え申し上げると同時に、皆様のお役に立つと思われる情報に関しては引き続きご報告を申し上げます。

参考:厚生労働省発表資料抜粋

5.取っ手、ドアノブなどの共用する部分を消毒する

タオルや食器、箸、スプーン等などを共用しないことも大事です。トイレやお風呂は、水拭きするか、家庭用の掃除用洗剤でもウイルス量を減らすことができます。洗濯や食後の食器洗いを別洗いしたりする必要はないです。タオル、衣類、食器、箸・スプーンなどは、通常の洗濯や洗浄を行います。感染者のものを分けて洗う必要はありません。 ただし、洗浄前のものを共用しないでください。特にタオルは、トイレ、洗面所、キッチンなどで共用しないようお互いに確認したいものです。 感染者が別の部屋で生活していても、トイレ、洗面所、浴室などを共用すると思います。ウイルスは物についてもしばらく生存しているため、ドアの取っ手やノブ、ベッド柵ウイルスがついている可能性はあります。0.05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)で拭いた後、水拭きするか、アルコールで拭きましょう。トイレや洗面所の清掃をこまめに行いましょう。清掃は、市販の家庭用洗剤を使用し、すすいだ後に、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用消毒剤を使用します。

厚生労働省:新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html